
前節清水エスパルス戦を快勝し、新たな目標に向かって再スタートした川崎フロンターレ。
今節は久しぶりのホーム等々力で昨シーズン不敗記録を止められたアビスパ福岡との対戦。
結果は2−0で勝利。
どちらが先に崩れるか、我慢比べのような試合でした。
忍耐強さを求められる試合で勝ちきった経験はチームを一回り大きくします。
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谷口と車屋の向上がチームのレベルを引き上げる
アビスパ福岡戦で注目したこと、気になったことをまとめます。
- 我慢比べを制した川崎フロンターレ
- 今後のカギは谷口、車屋、センターバックからのビルドアップ
- アビスパ福岡戦後に続く連戦を展望
一つずつ見ていきましょう。
我慢比べを制した川崎フロンターレ
明らかに戦い方が違う川崎フロンターレとアビスパ福岡のコントラストがおもしろかったです。
川崎フロンターレはボールを支配して、いかにゴールを奪うかにフォーカスした戦略。
アビスパ福岡は0−0の時間をできるかぎり長くして、相手がジレてくずれるのを待つ戦略。

アビスパ福岡は引き分けで全然OK。
ひたすら耐えて川崎フロンターレの自滅(ミス)を待つ戦略。
川崎フロンターレとするとやりにくい相手ですよね。
こういう試合で重要になるのは2点。
- ゴールが奪えなくてもあせらずに淡々と攻撃し続けること
- 絶対に先に失点しないこと
あせって縦に急ぎすぎたりすると、相手の術中にハマってカウンターから失点。。。
なんてこともありえます。
なので、パスをていねいにつなぎ、相手を守備で動かして疲れさせる。
前半はそれがよくできていたことがボール支配率70%超えの数字に表れています。

ボール支配率70%超えなのにシュート数1には驚きました。
こんな数字なかなか見ないですよね。
最後のところはやらせないアビスパの守備の堅さを表してます。
守備の堅いアビスパ福岡ではありますが、愚直にパスを回し続けて守備で相手を走らせればほころびもうまれます。
前半はシュートが少なかったですが、相手のカウンターがある中でも、縦パスのところを狙いながらやっていました。それを後半も続けること。そこを怖がらずに、より狙っていくように。当然相手の間や背後は徐々に空いてくる。ずっと動かし続けているからこそ、そういう形になったと思います。
試合終了後監督コメント 川崎フロンターレ 鬼木監督のコメントより抜粋

遠野の先制ゴールのシーンはなぜかポッカリあきました。
やはり前半のパス回しがボディブローのように効いてくるんですよね。
疲労から集中力が保てなくなると一瞬のスキがうまれる。
もう少しゴールが奪えない時間が続いたら、時間が経つにつれて状況は悪くなってたはず。
なので先制、さらにすぐ追加点を取れたことで一気に展開が楽になりました。
相手が守ってカウンターを狙ってくるのは想定どおりで、こちらがビルドアップしながら隙を伺うような展開になった。ボールの動かし方は悪くはなかったと思うが、そこで前半のうちに点が取れていればもっと早く自分たちの流れになったかなと。ただ、相手も我慢できるチームなので、そう簡単にはいかないだろうと思いながらプレーしていた。0-0はある意味相手の狙いだったかもしれないので、後半先に自分たちが点を取れたことがすべてかなと。ただ、自分たちがボールを握っていて、つけ入る隙はあると思っていたし、取れる自信もあった。うまく崩して先制できたし、こちらも我慢強くやり続けられたのはよかった。
試合終了後選手コメント 川崎フロンターレ 谷口彰悟のコメントより抜粋
谷口のコメントどおり「我慢強くやり続けられた」ことは、経験値として大きいです。
我慢比べになると少し弱さを見せてきた今シーズンの川崎フロンターレ。
チームとしての成長を感じます。

今後のカギは谷口、車屋、センターバックからのビルドアップ
前節の清水エスパルス戦、今節のアビスパ福岡戦を見て、センターバックのビルドアップの質へのこだわりを強く感じるようになりました。
後ろから怖がらずに(ビルドアップする)。これをリスクと言うかどうかわからないが、崩していくには必要なものだと思っています。それをやるからこそ、ゴールが生まれると思っています。センターバックだけではなく、アンカーもよく絡みながらよくやってくれたと思います。相手を見ながら、プレッシャーに来ているのかどうか。どこが外れているのか。徐々に見え始めている。その中でより遠くを見られるようになれば、チームとしては良くなる。でも、そこも順番ですし、良いトライはできていると思います。
試合終了後監督コメント 川崎フロンターレ 鬼木監督のコメントより抜粋(赤字部分はつけたしました)

特に相手を見ることにフォーカスしているように見えます。
プレスに来た相手に対して、パスでかわすだけではなくて、
持ち運んでプレスを外せるかを相手を見て判断する部分。
持ち運んでプレスを外せるとパスコースが格段に増えるんですよね。
アビスパ福岡は谷口、車屋に対し、二人のフォワードでプレスに来てました。
このプレスを外してボールを前に運ぶ方法を模索している感じ。
橘田や佐々木、山根とのパス交換で外すのか、ソンリョンに戻してやりなおすのか。
何度か引っ掛けられるシーンもありましたが、チャレンジする意義は大きいです。
前半で言えば、センターバックからの縦パスを相手も狙っていた。自分の特徴を出しにくい難しさはあった。距離を縮めたり、ケント(橘田健人)と短いパスをつなぎながら、どこが空いてくるかはスペースを見ながらやれた。そこは良かった。締めてくる相手にも、もっとパスを出させるように成長しないといけない。パスだけだと相手を打開することはできない。自分のところで相手のFWのラインを超えていく。そのプラスアルファで縦パスを出せれば、怖い選手になると思っている。
試合終了後選手コメント 川崎フロンターレ 車屋紳太郎のコメントより抜粋

車屋のコメントの「自分のところで相手のFWのラインを超えていく」
この試合でも何度か見せてましたが、これができるようになれば攻撃のレベルがワンランク上がるのは間違いないです。

アビスパ福岡戦後に続く連戦を展望
アビスパ福岡戦を含めリーグ戦5試合、天皇杯1試合と1週間で2試合のペースが続きます。

でもACLのしんどさを経験しているので、
「正直そこまで大変ではないかな〜」なんて思ってしまいます。
プレーする選手は大変ですけど。
時差もない、高温多湿の気候もない、ピッチの状態もマレーシアよりは良い。
なんだか全然大丈夫な気がしてきます。
ただどうしても疲労は蓄積されていくので、控え選手の出番は多くなります。

こういうところはACLで経験してきたことがいきますよね。
なかなか出場機会が少ない選手も、試合を経験することでチームにフィットしてきていました。
ACLのようにスタメン総入替えみたいなことはないと思います。
なので、スタメン組と出場機会が少ない選手を融合させてチームを作るという面では良い機会。

スタメン組と一緒に試合に出ることで得る経験は多い。
出場機会が少ない選手にとって飛躍のキッカケになるはず。
どの選手が試合に絡んで、どんなプレーをするか注目しましょう。
まとめ
久しぶりのホーム等々力で昨シーズン不敗記録を止められたアビスパ福岡との対戦。
結果は2−0で勝利。
どちらが先に崩れるか、我慢比べのような試合を勝利することができました。
アビスパ福岡戦で注目したこと、気になったことは次のとおりです。
- 我慢比べを制した川崎フロンターレ
- 今後のカギは谷口、車屋、センターバックからのビルドアップ
- アビスパ福岡戦後に続く連戦を展望
今シーズンの川崎フロンターレはまだまだ成長途上。
とはいえ、谷口、車屋からビルドアップする攻撃には新しい可能性を感じます。
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